12/01/2022

PLiM

昨日は,IAEAのPlant Life Managementの国際会議PLiMで講演を行いました。日本国内の原子力の高経年技術対策についての前回PLiM以降に行わた,原子力規制庁,資源エネルギー庁,電力共同研究サマリ,コンクリート研究から得られた新知見と今後の課題について話題提供をしました。

Aging Managementととしては,技術的過ぎたかもしれませんが,各国に日本のReferenceをお伝えする場としては良かったと思います。
電力共同研究も国プロも,うるさいくらいに国際論文にしましょうといってきたのが根付いてきた感じで嬉しく思います。


11/20/2022

プラハ その2

 プラハから戻りました。以下雑記。

・最終日に教え子のJiri Rymes君と会えました。彼は今,チェルベンカコンサルティングに勤めています。マスコンのひび割れ解析について,先日RBSMでいろいろ解析事例した内容を紹介し,今後,私の提案している構成則やAIJ/JCI指針の内容など,ATHENAにも入れ込めないか議論していく事になりました。ひび割れ解析ができるにもかかわらず,価格はアステアマックスよりも安いので,アジア含めて競争力が出ると面白いのではないかと思います。
・CVR-Rezとの打合せは詳細を極めました。他の受託研究と違って要求されるデータのクオリティと再現性が厳しいので最初は困っていたが,現在では測定レベルがあがるとともに私が論文を書くたびに,私の研究をみて問い合わせがあるので大変感謝していると言っていただけました。引き続き良い論文を出していこうと思います。
・チェコー日本の国交が2020年で100周年になるにあたり,日本ーチェコでの交流が盛んになっています。その中で,原子力や一般科学技術についての協定ならびにメモランダム締結の動きがあり,私も一度これに関連して講演をしているのですが,チェコ側から詳しい話をお伺いして,メモランダム締結についてサポートすることを約束しました。今は,CVRなどが受託研究になっていますが,これをチェコ側からも研究費が入れば共同研究の形になるので,研究がさらに進展します。昨年度CVRはUS-NRCともメモランダムを結んでいるので,我々も参加している日米CNWG(日米民生用原子力研究開発ワーキンググループ)の枠組みともうまく話を整理ができれば,さらに研究交流が盛んになるのではと思います。現在のエネルギー危機問題で原子力の安全な運転延長の議論はEUでも大きな議論になっているので,その点でも重要な論点になるかと思います。
・日本で今,土木での放射性処分がどのように進んでいるかは存じ上げないのですが,前回のベルギー出張や今回のACESなどのサイドイベントでも処分関係での共同研究ができないかという提案をいくつかいただきました。私が関わっているのは1Fの廃炉だけなのでよく考えましょう、という流れに。今の議論の論点は,昨今,CO2関係でセメントが劇的に変わってしまっていて,過去に実験して審査に用いたセメントがもはや製造されないので,それの適用性の限界と再審査方法などです。我々の一般建築物でも,既往指針との対応性について,できる部分が多いとおもいますけど,網羅できるかどうかというと盲点もあるかもしれず,いろいろかんがえていかないといけないのでは,と思いました。少しプロジェクト立案を考えてみます。

11/08/2022

プラハ その1

 現在,プラハに来ています。こちらでは,EurotomのACESプロジェクトのAdvisery,および自分のプロジェクトにおけるCVR-Rezでの実験状況の確認,次年度の予定について打ち合わせをするために来ています。プラハには,長いことお世話になっているPetr Stemberk先生がいるので,昨日は到着したまま,午後から彼が最近力を入れている高校教育の現場を見させてもらいました。

チェコ工科大学とこちらの高校(国立?)は提携を結んでいて,高校生が研究室に参加できる環境になっていて,Petrはこちらで授業を毎週行うとともに,高校内にも研究室で大学院生,ポスドクらと一緒に研究をすすめるとのことでした。
みていただくとわかるように,3Dスキャナもプリンタも,BIM関係の教育も進んでいて,さらにコンクリートを練る実験室もありました。大学じゃなくて,高校に。適切な判断ができるところには,良い環境がととのっていくんですね。学生たちの熱意というか,テンションもすごく高くで本当に素晴らしかったです。
東大,東大の研究室の紹介もさせてもらいました。研究の話はちょっと難しかったかもしれないですが。一人でも東大を希望してくれると嬉しいですね。

10/27/2022

ベルギー・ゲント NuMat参加

 Nuclear Material Conference 2022

に参加してきました。今回は,Plenary・基調講演をさせていただきました。講演タイトルは,「Toward soundness evaluation procedure on concrete member affected by neutron irradiation」ということで規制庁プロジェクトの内容と,エネ庁事業のまとめの成果についてお話しました。規制庁事業の内容はすでに2016年の内容で,JACT2017年にまとまっているので,そんなに新しい話はないんですが,骨材が中性子で膨張すること,コンクリートの劣化が進むこと,岩石毎にこの挙動は変化するので適切な評価方法の構築が必要であることを指摘させていただきました。また,Flux効果については,照射効果の温度依存性の観点から考えると,かなり大きい可能性があるので,こちらも,規制緩和の観点で大事であるとの指摘をいたしましたが,これは,前回のPLiM Conferenceで発表した内容でした。

温度依存性などについて,いくつか質問をいただきましたが,どちらかというとこのNuMatは,処分関係の材料研究者が多く,Aging Management関係者は少ないので今後に期待という形になりそうです。

今回のこの機会は,VTTのMiguel Ferreira博士と,Belgian Nuclear Research CentreのQuoc Tri Phung博士のご推薦によるもので,大変ありがたかったです。Belgian Nuclear Research Centreにも訪問の機会を得て,ベルギーの国の研究所のマネジメント,給与体系,大学とのコラボレーション,研究教育,EU内でのプロジェクトの状況,背景にある考えた方について教えていただきました。国の研究所は,それほど競争的ではないこと,極端に評価がわるくなければ給料は基本的に年序列であること,一方で,高いレベルの研究が望まれており,自己研鑽ができる人材であることが採用時にはかなり細かく調査されていることなどは重要な知見のように思いました。

EUは,大型予算でも人に出すことを考えており,EU内でも研究レベルの格差を調整するよう人の交流,知見の交流を学生や若手研究者への支援で実施し,異なる分野での研究協力が実施されるような活動への支援が長期にわたってなされています。研究者は,自然と,他の研究プロジェクトにも入りやすくなるよう,オリジナリティと強味を理解し,自分の研究分野を軸に他分野とのコラボレーションができるポジショニングの獲得を重要視し,それゆえ,科学の背景を有することも大きな強みになっています。もちろん,工学で,従来の経験工学的な部分もあり,それはそれでやはり工学的知見を重視したフィールドでの活躍もあるのですが,今は,なるべく研究分野が拡大,混合,進展するような取り組みを個人もEUも進めているように思われました。

同じような研究テーマを数年ごとにつくりだして, 国中でおなじことをやるというようなスタイルとはだいぶんことなります。

日本も今後は研究者・研究費が減っていくので,こういった人と知見のサーキュレーションを考えた活動が大事になってくるものと思います。うまくいくかな。

その他,実験装置なども多数拝見してインスパイアすること多数でしたが,写真は厳禁でしたし,公表は難しそうです。今後,かれらとも共同研究ができそうでしたので,いろいろ知見交換をまずは進めたいと考えています。



Comparison of shrinkage and mass change of hardened cement paste under gradual drying and rapid drying

 Comparison of shrinkage and mass change of hardened cement paste under gradual drying and rapid drying という題目で新しい論文が公開になりました。

修士の瀬川さんの論文です。1H NMR Relaxometryのお陰で、湿度と空隙の関係が明快になりました。そのうえで高湿度域の収縮、クリープを見直すと、不思議な傾向が浮かびあがります。含水率と収縮が対応しなくなります。数値解析を検討している研究者には困る現象ですが、現象理解に役立ちます。この研究は,以前の時間依存性吸着等温線モデルとも対応する概念になっています。

下記のように,各湿度に設置した試験体の含水率変化とひずみ変化をプロットしたのですが,直接,ターゲットの湿度に置くものと,ゆっくりとRHを下げていくものでは高湿度領域であきらかに挙動が異なります。特にゲル水が乾燥するよりも大きな湿度域でこの挙動が顕著なのが特徴的です。



ところで,この研究を実施するのに従来の研究を大きく実験系を変更させました。ここにあるように画像分析装置(精度0.1μm)で,厚さ1mmの円盤試験体をつくって,画像で寸法測定をすることにより,小さな試験体でデータ取得を飛躍的にやりやすくしました。透明なケースを用いることで,サンプルを取り出す必要もありません。


詳細は論文を読んでもらえればと思います。



https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666549222000263

10/19/2022

マスコンクリートのひび割れ幅の予測

 マスコンクリートのひび割れ予測は古くて新しい問題です。日本では日本コンクリート工学会を中心として、ひび割れ制御指針が示されており、古くからさまざまな数値解析予測を用いた手法を中心として、検討がすすんできました。

マスコンクリートの問題は、セメントが水和して発熱するのですが、大型の部材の場合には表面からの放熱が限定的なので内部で温度が上昇し、下がるという現象が生じるときに、同時にヤング率が低い状態から高い状態に変化します。自由変形では、温度の増加とともに膨張し、その後温度の低下とともに収縮し、線膨張係数が一定なら、ひずみはゼロに戻ります。

この間、対象部材が拘束されていると膨張時(温度上昇時)に圧縮応力が、収縮時(温度低下時)に引張応力が働くのですが、その時の材料のヤング率が圧縮応力が働くときに小さくて、引張応力が生じるときに大きくなっているので、差し引きで引張応力が残ります。この応力が引張強度を超えるとひび割れます。

この挙動は、温度の履歴、ヤング率の履歴、強度の履歴が正確に表現できないといけません。もっというと、線膨張係数、クリープも、適切に表現されないといけなし、部材の中では中心部で温度が高くて、反応が進んでいち早くヤング率が発展する一方、外の方が温度がそれほどあがらないので、ヤング率も強度も発展しないというような、水和ー熱ー水の連成を適切にもとめないといけない、という複雑な問題なわけです。

我々の研究チームでは、剛体バネモデルにこれらの内容を組み込んで予測することで、ひび割れを予測することができるようになりました。

[1] P. Srimook, I. Maruyama, K. Shibuya, S. Tomita, Evaluation of thermal crack width and crack spacing in massive reinforced concrete structures subject to external restraints using RBSM, Eng. Fract. Mech. 274 (2022) 108800. https://doi.org/10.1016/j.engfracmech.2022.108800.



建築の分野では、ひび割れの検討では、山崎氏が詳細に検討されたりして、対象部材のひび割れが理論通りに分布しないことなどを指摘していました。この問題、試験体のディテールにも依存するのですが、長い試験体の場合、実は対象部材と拘束部材の間に水平ひび割れが入るので、これが解析に大きな影響を及ぼしています。下の図の部材右端のひび割れです。


断面内の温度分布があるので部材全体が曲げ変形することは古くから指摘されているのですが、部材の貫通ひび割れの評価に、この水平ひび割れが大きく影響することは、おそらくは昔の構造をやっていた人なら理解できると思うのですが、数値計算上はややこしくて考慮d系なかったんだと思うのですよね。
JCIのマスコン指針では、FEMを用いて解析をするときに表面ひび割れは無視するというのがあるのですが、そもそも、その表面のひび割れにより緩和する挙動がモデル化できていない時点で部材に生ずるひび割れ発生駆動力の評価があまり適切に評価できていないことになります。

それと解析していて、こちらも明らかになりましたが、自己収縮を考慮しないとこうった適切なひび割れはやはり評価できません。その観点で、AIJ指針の最新版で自己収縮を明示的に考慮するよう、JCI指針を追随したのは適切な判断だったかと思います。

FEMについては、過去の発表したものもあるのですが、今後はひび割れを考慮して全体を考慮しなくちゃいけない、ということになろうかと思います。ラフなひび割れ幅の予測については、今後も粛々と検討やっていこうかと思います。

なによりも、今回の剛体バネモデルの構築で、実験に頼らずとも、それなりに精度でひび割れが表現できるようになったので、統計処理する基本をこの剛体バネモデルで行い、データを作成してひび割れ幅予測式を提案するということも可能になったのは大きな前進だと考えます。



10/09/2022

再始動

 大分長く空いてしまいました。今後は,少しづつ,またこちらに細々したことを記載していこうと思います。

最近やっていることなどを少し紹介します。最近は担当している大型プロジェクトが大分増えてきました。研究方針,とくに科学的な観点での戦略立案役が主軸になってきています。また,データ分析や科学的な仮説立案で御役に立っているかと。

・ムーンショット C4Sプロジェクト:これは野口貴文先生がPIです。私は,製造プロセスの担当で,炭酸カルシウムをバインダーとしたコンクリートの生成メカニズムを担当しています。2年半前にスタートした研究ですが,最初の半年でΦ1x2cmの試験体で生成プロセスの検証を行い,徐々に試験体を拡張し,強度増進を測ってきました。最近ではブロックサイズも射程に入ってきて,実用化がみえそうになってきました。また,来年の春先くらいにはプレスリリースなどが行えるとよいと考えています。このプロジェクトの製造部分では,東京理科大学,太平洋セメントさんと一緒に研究を行っています。

・グリーン・イノベーション基金 コンクリート中のCO2固定量評価方法の標準化プロジェクト これは私がPIです。NEDOからのプロジェクトですが10年にわたる研究開発ということになっていますが,私は今後開発されるだろうCO2を固定したコンクリートにおいてどれだけ固定されているかを確認する手法の開発をJIS,ISO化することを支援する役割になっています。さまざまな手法を検証・実証してすすめていきます。他プロジェクトにも利用してもらうことが目的となっているので,最初の数年で一定程度の成果を出そうと考えています。本プロジェクトでは,北海道大学,名古屋大学,広島大学,琉球大学,太平洋コンサルタント,リガクのメンバーで研究を行っています。

・コンクリートの放射線影響評価プロジェクト こちらは,原子力発電所の長期運転を支援するための研究です。原子力発電所がベストではないのはわかりますが,よりよい世界に移行するにあたって資源を持たない日本で安定供給が可能になるであろう有力な手段であることは今後50年くらいはかわらないのではと考えています。新しい炉をつくるにしても,時間を考えると,今ある炉を適切に運用していくのが大事になってきます。その上で,社会のみなさまに,どのように懸念をもって,どのように解決しているのか,マネジメントしているのか,を説明することが大事だと考えています。中性子,ガンマ線を当て続けたコンクリートがどのような変質をもたらし,構造にどのような影響を有するのかを,原子スケールから,構造部材スケールまで事象を科学的に解明し,影響度を評価する研究です。私はこの花宮を2010年から実施し,一貫して国のプロジェクトの研究方針を打ち出し,リードしてきました。引き続き,国際貢献ができるように尽力したいと思っています。この研究では,三菱総研,千葉大学,名古屋大学,鹿島建設など多くの組織で研究を行っており,海外の研究所(ORNL(米国),CVR(チェコ))とも協働しています。

・英知事業 福島第一発電所廃炉にかかわる,放射性物質とコンクリートの相互作用に関する研究プロジェクト 福島第一発電所を今後どのように廃炉していくかは長期にかかわる研究課題となっています。そのさまざまなオプションを評価するためにも,大量に存在するコンクリートを無視することはできません。本研究では,CsやSrとコンクリートが,炭酸化,乾燥収縮,ひび割れなどを有した状態でどのように相互作用するのか,といったことを解明していっています。すでに多くの論文が出されていますが,今後も引き続き,研究を進めていきます。

・コンクリートの乾燥影響,こちらは勅使川原先生との研究で,鉄筋コンクリート構造物が乾燥によってどのように性能を変化させるかということを実験・理論両面で理解するための研究になっており,本年度,実大に近いスケールで鉄筋コンクリートの3層試験体を2年間乾燥させてから載荷実験を行ってました。2年前にはまったく同じ設計で十分水和させた直後に実験を行っており,今後,さまざまな結果が出てきます。モニタリングなどで乾燥させる固有振動数の変化について,材料から説明ができるはず,との観点で研究を行っています。こちらについても,すでに様々な論文が出ています。今後,少しつづ,説明していこうと思います。こちらは名古屋大学がメインとなっています。

・廃炉材を用いたコンクリートの健全性評価方法の高度化研究。こちらは名古屋大学で実施している研究で,中部電力にお声がけいただいた研究です。現代のコンクリートの中でも,水,温度(しかもそんなに高くない40℃くらいでも),長石類などがある条件ではトバモライト生成が生じ,コンクリート強度が飛躍的に高くなるというメカニズムを世界で初めて発見し,解明しました。その他,非破壊試験の応用,数値解析手法の応用,などを研究しています。

その他,3Dプリンティング材料,火山灰を用いたセメントシステムにおける反応と物性発現機構の解明,炭酸化したコンクリート中の鉄筋腐食速度推定方法,炭酸化収縮メカニズムの解明,たたきの水和反応メカニズム,火星における建設材料研究,地産地消型建設材料開発のあり方,建材へのCO2固定方法ならびにCO2オフセット手法の開発,などを行っています。




1/01/2021

明けましておめでとうございます。

 旧年中は,大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

昨年度は,コロナということもあり,いつもと違った角度で世の中を見て,考える時間がありました。日本のさまざまな事象が慣性力で動いていて,本当に未来に向かった,次の世代につながる活動になっているというものがどれほどあるのだろうか,ということも含めて,考えることは多くありました。

個別の論考については,また,いずれアップロードしたいと思います。

昨年度は,自分の取り組むプロジェクトにおいても論文発表が大事な位置づけになっていることもあり,例年より多くの論文を投稿することができました。以下が,2020年度発表・公開(一部は2019年ウェブ公開も含む)の論文の一覧になります。

今年も,なにをすべきかを考えながら,手も動かしていきたいと思います。


[1] I. Maruyama, J. Rymeš, A. Aili, S. Sawada, O. Kontani, S. Ueda, R. Shimamoto, Long-term use of modern Portland cement concrete: The impact of Al-tobermorite formation, Mater. Des. 198 (2021) 109297. doi:10.1016/j.matdes.2020.109297.

[2] V.N. Luu, K. Murakami, H. Samouh, I. Maruyama, T. Ohkubo, P.P. Tom, L. Chen, S. Kano, H. Yang, H. Abe, K. Suzuki, M. Suzuki, Changes in properties of alpha-quartz and feldspars under 3 MeV Si-ion irradiation, J. Nucl. Mater. (2020) 152734. doi:10.1016/j.jnucmat.2020.152734.

[3] N. Okada, T. Ohkubo, I. Maruyama, K. Murakami, K. Suzuki, Characterization of irradiation-induced novel voids in α -quartz, AIP Adv. 10 (2020) 125212. doi:10.1063/5.0029299.

[4] A. Aili, I. Maruyama, Review of Several Experimental Methods for Characterization of Micro- and Nano-Scale Pores in Cement-Based Material, Int. J. Concr. Struct. Mater. 14 (2020) 55. doi:10.1186/s40069-020-00431-y.

[5] H. Sasano, I. Maruyama, S. Sawada, T. Ohkubo, K. Murakami, K. Suzuki, Meso-Scale Modelling of the Mechanical Properties of Concrete Affected by Radiation-Induced Aggregate Expansion, J. Adv. Concr. Technol. 18 (2020) 648–677. doi:10.3151/jact.18.648.

[6] D. Kambayashi, H. Sasano, S. Sawada, K. Suzuki, I. Maruyama, Numerical Analysis of a Concrete Biological Shielding Wall under Neutron Irradiation by 3D RBSM, J. Adv. Concr. Technol. 18 (2020) 618–632. doi:10.3151/jact.18.618.

[7] R. Kiran, H. Samouh, G. Igarash, T. Haji, T. Ohkubo, S. Tomita, I. Maruyama, Temperature-Dependent Water Redistribution from Large Pores to Fine Pores after Water Uptake in Hardened Cement Paste, J. Adv. Concr. Technol. 18 (2020) 588–599. doi:10.3151/jact.18.588.

[8] I. Maruyama, T. Ohkubo, T. Haji, R. Kurihara, Reply to Zhou et al.’s “A discussion of the paper ‘Dynamic microstructural evaluation of hardened cement paste during first drying monitored by 1H NMR relaxometry,’” Cem. Concr. Res. 137 (2020) 106219. doi:10.1016/J.CEMCONRES.2020.106219.

[9] M. Nagao, K. Kobayashi, Y. Jin, I. Maruyama, T. Hibino, Ionic conductive and photocatalytic properties of cementitious materials: calcium silicate hydrate and calcium aluminoferrite, J. Mater. Chem. A. (2020) 15157–15166. doi:10.1039/D0TA04866F.

[10] V.N. Luu, K. Murakami, H. Samouh, I. Maruyama, K. Suzuki, P. Prak Tom, L. Chen, S. Kano, H. Yang, H. Abe, M. Suzuki, Swelling of alpha-quartz induced by MeV ions irradiation: Critical dose and swelling mechanism, J. Nucl. Mater. 539 (2020) 152266. doi:10.1016/j.jnucmat.2020.152266.

[11] R. Kurihara, I. Maruyama, Effects of heating and drying on the strength and stiffness of high-early-strength Portland cement pastes, Cem. Concr. Compos. 106 (2020) 103455, 10ps. doi:10.1016/j.cemconcomp.2019.103455.

[12] P. Suwanmaneechot, A. Aili, I. Maruyama, Creep behavior of C-S-H under different drying relative humidities: Interpretation of microindentation tests and sorption measurements by multi-scale analysis, Cem. Concr. Res. 132 (2020) 106036, 6ps. doi:10.1016/j.cemconres.2020.106036.


12/13/2020

2020年末

 このブログから,いくつから記事を削除しました。しばらくFacebookで意見表面していたのですが,そういうものでないブログというのはあるのだろうか,と考えておりました。考え事というよりは備忘録として,メモを外に残すのも大事なのかもと思い,しばらく再開してみることにしました。2つの大学の研究室のウェブには,それぞれ関連するニュースも記載していますので,もしよろしければそちらも確認ください。

2020年はコロナで大変な時代になりました。後世に残るのでしょう。大学の教育もいろいろ考えることになりました。授業もリモートが中心になりました。良い悪いは別としてそれが必要なのだから,やるということでした。時代的にも,ぎりぎり日本の教育インフラもそれが支える時代になっていたわけですが,おそらく10年前ならこの状況はなかったと思います。そういう意味で,良くも悪くもあらゆる年代がデジタルになじまざるを得なくなったということは日本にとって,良い面だったのではないかと思います。

そして,それらのツールはいずれも国産のものでなく,いずれも海外のツールであり,日本にはデジタルインフラをサポートする体制が無いこと,教育までもがそれを支配されている状況なのだということは残念な状況です。

今の時代でも,標準化,ノウハウの横展開,属人的でないシステム,というのを構築することがまだできていない,ということを再確認した1年でした。大学自体がこれを認識していない(ところがある)といのは極めて残念なことです。

2019年から2つの大学で働くようになり,それぞれの良さと悪さを比較できる立場になったからこそ,横の批判ができるようになったわけです。

この立場だからこそできること,というものを前向きに取り組みたいと思います。





11/25/2018

11月 ひさしぶりですみません。

まだ,見てくださっている人がいるので,また,更新を継続します。しばらくFBで満足してました・・・。

11月は教室主任にも関わらず,あらかじめお願いしていた関係で海外出張をしてまいりました。11月の出張は,プラハ,ローマ,ノックスビルです。

プラハでは現在実施中のエネ庁事業で行う骨材の照射実験が可能かどうかを現地で議論してきました。プラハは,ヨーロッパとも旧ソビエト諸国ともうまく連携している素晴らしいポジションを確立しました。技術的な優位性は今後高くなるのではないかと思います。
チェコでコンクリートといえば,Bazant先生が有名ですが,かのチェコ工科大学には優秀な先生方が多数おります。ただ,Vison makerはまだ少ない感じです。
私のお会いしたチェコの技術者は,みな謙虚で真摯で,そしてよく勉強しています。留学も多方面にわたり,知見交換が頻繁です。ここにVison makerが出始めると,ちょっと日本の優位性はなくなっちゃうな,と感じました。
日本に,時としてものすごく想像力豊かな,先見性のある研究者が出るのはハッピーなことだと思います。これは,民族的なものかもしれません。時として妄想家,引きこもりを有無のかもしれませんが・・・。
話が脱線しましたが,今後は,プラハでも研究を行うことになると思います。

その後,チェコ工科大でベルラーシのNational academy of Science の先生方とも打合せを持ちました。今後,共同的研究ができなか,継続的に知見交換をすることになりました。(ロシア語から英語の通訳がありました・・・。)

ローマでは,いたりあのSOGINという廃炉を行う政府所有の企業を訪問しました。特別点検の実施から,日本でもいくつかが廃炉を予定するようになりましたが,技術的な課題は一定程度住んではいるものの,処分の問題,周辺の民意・社会受容性の問題,雇用の問題など大きな課題があります。原子炉を運転中は,必要となる作業が固定化されるので雇用というのは簡単なわけですが,廃炉は長期にわたるといっても,必要となる作業が変化するので雇用を周囲で維持するということ自体も大きな課題になります。生産性と技術,属人的な課題が複合し,地元での雇用維持というのは,大きなマネジメント力を必要とします。こういったことは私は考えもしてきませんでしたが,非常に大事な視点と思います。社会が縮退するなかで,雇用体系とか,必要とされる作業自体が変化する可能性も,建築分野でも考える必要がありそうです。今後は,AI,ロボティクスを含めた生産性向上と作業変化というのを考えていく必要があります。

ノックスビルへの移動してテネシー大学で,International Committe on Irradiated Concreteの参加しました。
今回で,第四回です。月曜のエグゼクティブコミティーから始まり全4日間,朝8時半から夕方5時まで缶詰のミーティングです。各国,事業者,規制当局などが技術的基盤を獲得する目的(と私は考えている)で,研究活動を共有して議論するものです。国際共同研究の応募提案,大型共同研究フレームワーク構築,各国のニーズの共有などが行われます。

クローズドミーティングなので詳細は書けませんが,各国のデータを取りとめ一生懸命指導的立場を取ろうとする(上から乗っかってこようとする)というのが米国,ひたすら地道に大型予算をとって粛々と研究データどりや新しい仮説を提案しまくり,全体のムーブメントを作るのが日本,原子力大国フランスはどちらかというと処分中心で,英国もそれに追随。他国は廃炉材活用を模索するか,EU研究提案にもっていくための活動を実施,という感じです。
東欧は最近,予算が無いながらも研究意欲が高く,かつソビエト時代の遺産は素晴らしく,核開発者をはじめとしてすごい技術力があるのが驚きです。ロシアを見くびってはいけません。(セメント化学もすごいですけど・・・)

中性子によって結晶構造が壊れるときに熱的影響でアニーリングされる部分があるのでそれを取り出すことが今後の研究で重要だと何度も言って,研究仮説と実験プロトコルを提案したんですが,今年に再度発表して,やっと関係者に理解されました。いやあ,1.5年立ってやっと理解できた,クールだ,というのは私の英語がひどいということなのか・・・。

浜岡プロジェクトで得られた実機のデータが今までの常識を覆すコンクリートの挙動になっていて,実部材データを(戦略的に)得ることがいかに保全上大事か,などのメッセージもやっと伝わったようで,米国規制庁(US-NRC)や電力研究所(EPRI),その他の研究機関から引っ張りだこになって,個別にディスカッションを持ちました。

こういったところで密接に議論するとさまざまなネットワークが生まれます。
EUプロジェクトにアドバイザーで参加要請されたので申請書作成をお手伝いすることになりました。(3年前の提案は結局プロポーザル手前で没になったのでそのリベンジ)
米国規制庁からもさまざまな相談事をされたので,無難な範囲でお手伝いをしようかと考えています。契約結ぶの大変そうですけど,どうすんのかな・・・。

4/28/2018

4月

なかなか更新がままなりませぬ。SNSに少し書いているせいもあるのですが。

・この4月から専攻長を拝命しました。別に偉いわけではなくて持ち回りです。海外出張が制限されるのが問題です。10月と11月にそれぞれ1回ずつ海外出張に参りますが、それ以外は残念ながら難しそうです。

・研究室の新メンバーとして、4年生が3名配属になりました。今年はちょっと新しいことに挑戦してもらおうと思っています。その他に、ポスドクが1名、清華大学卒業、Ecole de Pont ParisTech博士という方に来ていただきました。大変優秀です。現在、さらにポスドクならびに博士学生を募集しております。いずれも給与を出すことができます。
ー鉱物学、結晶学、TEM分析ができる方
ー結晶学、分子動力学、第一原理計算のわかる物理、化学を理解している方
ー波動伝搬、均質化理論に興味のある方
ぜひ、ご相談ください。

現在、丸山研では、国のプロジェクトとして
1)放射線によるコンクリートの劣化メカニズムの解明(エネ庁)
2)経年変化したコンクリート構造物の性能評価方法と将来予測法の研究(エネ庁)
3)福島第一原子力発電所施設を対象とした汚染メカニズムの解明(文科省)
4)処女乾燥下にあるセメント系材料の水分移動メカニズムの解明(科研・基盤A)
5)ジオポリマ、バサルト繊維、形状記憶合金を用いた新しい構造部材開発(科研・基盤A分担)
6)オーセンティシティを考慮した歴史的構造物の補修・補強方法の開発(科研・基盤S・分担)
7)炭酸カルシウムコンクリートの形成メカニズムの応用(科研・基盤A・分担)

を実施しております。
その他に現在、国交省へ申請中の案件、国際共同研究(フランス、チェコ、イギリス)があり、企業との共同研究ならびに研究コンサルティング案件は10以上ありまして、ダイナミックに研究が実施されている環境です。建設材料をベースにしておりますが、地質学的研究、物理学的研究、数値解析手法の開発研究などを国際的にも幅広い研究領域の研究者と共同研究しています。他に誰もやっていないテーマも多くありますから、研究室に興味を持った方は、是非、ご連絡ください。

・最近、久しぶりに論文を公開しました。
Impact of gamma-ray irradiation on hardened white Portland cement pastes exposed to atmosphere
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0008884617306506
ガンマ線照射環境で中性化が生じた場合にどんなことが生じるかということを議論した論文です。放射線処分や原子力発電所施設の安全性や性能評価に貢献する論文です。ガンマ線を照射するとガンマ線発熱による熱・乾燥影響が出てくるので、ガンマ線本来の影響と熱・乾燥影響が重畳します。熱・乾燥影響が明らかになっていなかったことも有り、強度があがったり、さがったりと一貫性のあるデータが存在しなかったわけですが、それについて明らかにした論文でもあります。

・4月より、Journal of Advanced Concrete Techonology誌のEditor in Chiefを拝命いたしました。三橋先生、前川先生と続いた編集長の三代目で、大役ですが、より広く読まれる論文誌にしていきたいと思っております。みなさま、ご投稿をお願いします。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jact/_pubinfo/-char/en


1/14/2018

2年前

2年前の投稿を紹介します。

JCI年次論文が明日〆切です。研究室の論文投稿を原則英語,をかかげてしまったところ,大変なことになってしまいました。自分が言い出しっぺなのでしょうが無いですが,久しぶりに全論文に猛烈に赤を入れまくっています。
投稿は,おそらく4,5編になるんじゃないかとおもいます。また,日本語に留まってしまったものも出てくると思います。
別に英語じゃ無くて良いし,日本人に読んでもらいたいならば,という議論もあるんですが,名大まできたなら,英語で論文を書いたことがある,くらいの経験は積ませた方が良いだろうと思った次第です。日本語のレポートはたくさん書きますしね。
英語化して良かった点がいくつかあります。
・日本の国際的な情報発信を考えたときには足りていない情報が多くてもったいないことがわかる。論文に英語名が無い奴などは大変に損してるし,そういうことじゃいけないということが学生自体が認識する。
・英語で論文を書くと文章が具体的にならざるをえず,何を理解していて何が理解していないのか,自分でも認識できる。日本語は主語がなかったり,ぼかして書くことができますが,英文ではそれらを明確にします。なんとなく理解しているのと,ソリッドに記載するのでは全く別です。うちの研究室はこういうことのトレーニングの一貫として,数値プログラムの勉強をさせるのですが,英語化はそれと同じかそれ以上の効果があります。
日本語で良いというのはまさしくその通りだし,各学会がGoogleとアライアンスを組んで,英語と日本語のつい訳論文を提出すれば,それぞれの分野の過去の論文はすべて英語化できるでしょう。(これはこれで,日本の土建の研究分野が喫緊にとりくまなくてはいけないことだと思います。)
でも,コミュニケーションとして技術を適切に伝えるという意味では,英語で書かせるというのも良いもんだ,ということがよくわかりました。
建築学科は英語化に反対する人も多いですけど,まあ,やってみてもよいんじゃないかと思います


2年前から、同じ気持ちだったわけです。
今年も研究室から投稿される論文は英語を基本としています。そういうのって、やらされないとできない人もいるので。私は、その必要性を理解してもらうのと、無理やりにでも体験してもらうこと自体が、若い世代に大事だと思っています。

で、セメント協会のC-S-H研究委員会やら、昨今の自分のまわりの研究を見渡すと、
1)工学研究(設計的研究)なら、ゴールにいかに早く到達するかが大事。ゴールを設定したなら、最短を目指さなければ大学に大型共同研究を持ってくる意味がなくなる。その観点で、国際的に知見交換ができて、いざとなったら大事なキーパーソンを教えてくれるネットワークは本当に大事。
2)科学的研究(維持管理的研究)なら、国際的に通用する科学技術的基盤をしらなければ、意味がない、少なくとも国費をつかった研究で重複が過去と重複があったら大きな失態。そういう観点でもつねに自分に興味がある内容についてアップデートしてくれる研究連携チームの存在は大事。ただし、研究の追試、二番煎じ、再現性確認は超大事。こんな時代で、一番がもてはやされる時代だからこそ、日本はちゃんと再現性を含めてちゃんと咀嚼して、自分たちの考える第一歩を示していく骨太の科学技術社会をつくって見せていくべき。
科学は、本当に言いっぱなしなところがある。
日本は工学・科学両輪で前にすすめるあり方というのを、土木・建築業界で指し示す、そういったことをSIPでも考えたら良いと思います。

2018年

すいません。フェースブックに関心事を書いていたら、こちらがおろそかになってしまいました。本年もよろしくお願いします。

JCI年次論文が佳境ですね。今年は、博士学生がジャーナル投稿を目指しているのであまり、本数は多くありません。最大で4本かな。いろいろ、議論を生むようなデータはあるんで、今後に繋がる検討になりました。やっぱり、論文を書かないと学生も頭が整理されないし、実験として気づいた新しい発見と実験の当初の目的がずれた場合の整理が大事になることもあって、学生が論文を書いているときはワクワクします。

一方、セメント協会の委員会で取りまとめてきたC-S-H研究会の報告書の見通しが断ってきました。3月に報告会も実施するので興味のある方は是非出席ください。
セメント協会にもありますので、ぜひ、御覧ください。なかなか、大部な報告会です。
この教科書は、すごく良いです。本当に若手のみなさんを中心に我々の知見、留意しなくてはいけないこと、日本で全然チェックされていなかったことなどが、ふんだんに、網羅的に入ってます。もう、各種の査読で、変なことが書いてあったら、こちらをみて勉強してくださいって、かけるくらい。
耐久性研究とか、維持保全関係の研究は、設計フェーズから科学にもとづく将来予測フェーズになるんで、その観点で科学的事実から目をそむけちゃいけないし、宗教的・悪魔観的因習にとらわれてもいけないのです。
日本にセメント化学の研究室が、なくなりつつある今、ぜひ、若い人たちには目を通して欲しいです。

さて、すでに次年度に向けての動きが活発化してきています。名大の建築の中にも新しい風が吹きます。4月からの建築教室には期待です。

研究室的には、日本の学生には国際的な刺激を、また、海外に向けては日本でのアクティビティの高さをアピールする場になるように研究室運営を抜本的に見直しています。
現在、博士学生は7名(うち、留学生4名(中国、チェコ、フランス、タイ))、次年度はこれに海外からポスドク(いずれもフランスの大学出)を2名雇用する予定です。その他にも、名大で研究する社会人が数名検討されています。
卒論、修論の学生は、これらの国際的なアクティビティに大いに影響を受けてもらいたいし、国際感覚をもって卒業してほしいです。

実際の研究では我々が貢献できるところを増やし、建築学がいかに幅広い学問なのかを認識してもらいたいと思っています。
一つは、福島第一の廃炉のためのコンクリート汚染の研究、もう一つは、放射線で変質するコンクリートの研究について、あらたなプロジェクトが開始されました。2017年広範からスタートなので、2018年から本格化します。
後者は、米国のORNL、ノルウェーのIFE、チェコのREZとコラボをします。日本国内でも、いろいろな大学、国の研究機関とコラボの議論を開始しました。

建築のわくを超えた論文が出ると面白いですね。